ゲームから顔を上げる未夜くんの目が、まっすぐに琥珀を見つめる。
「うん……ちょっとだけ」
「埋めてあげようか」
「え?」
そう言ってゲームを置いて近付いてきた未夜くんが、琥珀の手に手を重ねる。
ゲームで指を使っていたからか、指先が暖かかった。
「でーと、しようよ。気分転換になるでしょ?」
「で、でーと……?」
「今度は二人で」
「ふた、りで……?」
ふっと目を細めた未夜くんが、琥珀の手を引く。
でーと……と琥珀がその言葉にぽかんとしていると。
「はいそこ、口説かない」
ふわりと背後から現れたその人が、琥珀の肩に腕を回して引いた。
この柔らかくて暖かい声は……。
「さ、咲くん……!?」
「琥珀ちゃん、いおりからの指導終わったの?」
「あ、うん……というか電話し始めちゃったから逃げてきたんだけど……」
「まったく、いおりは」
ふぅ、とため息を吐いて、自然な流れで私と未夜くんを繋いでいた手が離され、咲くんにその手が繋がれた。
むっとする未夜くんにお構いなしに、咲くんは琥珀をソファへと促す。
未夜くんは向かいのソファに座って、再びゲームを始めた。



