「あの人結構おせっかいやくから。俺のことも連れ出して黒曜まで連れてきたくらい、仲間思いな人だよ」
「リンくんは最初冷たそうな印象だったなぁ……というか時々毒飛ばしてくるよね、リンくん」
「リンちゃんは仲間だと認めてからデレるから」
「デレるの?」
「琥珀もぼちぼち認められてくると思うよ」
そんな話をしながら辿り着いた、いおくんベッド部屋扉の前。
冬が近付いてきて、冷たい空気が吹き抜けて、ブルっと体が震える。
扉の外にまで既にイビキの音が響いているのでどうやら彼は爆睡中のようだけれど。
ゴンゴンゴン、急に未夜くんがその扉を強く叩いた。
容赦ないね!!?
「琥珀連れてきた。起きて」
ゴンゴンゴン、まだまだ容赦なく扉を鳴らす未夜くん。
ちょ、未夜くんも結構怖いもの知らずだよね!?
慌てふためく私、扉の奥でゴンッという音が響く。
イビキは止まった…………いおくん起きたか?
「……ッツェ」
なにやら部屋の中から声が聞こえる。
苦しそうな声だった。



