そう言って咲くんは琥珀に顔を向けてじっと見つめて来た。
な、な、な、……なんでここでこっちを見るの!!!
熱くなる顔を両手で隠すと、肩に手が回された。
「授業始まっちゃう前に、琥珀は学校行っておく?」
「う、うん、そうする……」
「言いたいこと、言えた?」
「…………言えた、ありがとう」
言いたいことだけ言えた琥珀は、今日はいおくんと一緒にいつもの送迎車に乗って、学校へと送ってもらった。
その後、あの先輩がどうなったのかは知らないけれど、いやがらせ?の類はぷつりと途切れた。
本当にあの先輩がやっていたことだったらしい。
「琥珀、ごめん、気付けなくて」
「ううん!!みっちょんが気にすることじゃないよ!?」
「同じ美術部なのにそんな素振りぜんっぜん見せられてなくて」
「大丈夫だって!咲くんたちが解決してくれたことだもの」
頭を抱えてみっちょんは項垂れる。
そんなみっちょんを今日は琥珀がよしよしする。
もう解決したよ、大丈夫だよーっ。



