そして事情を聴いていると、どうやら今日は琥珀の上履きをお料理しちゃおうとしちゃっていたらしく、今日の上履きが危うくなくなるところだった。
「それで……この子が犯人さん……?」
後ろ手で縛られて、プイっと琥珀から顔を反らしているその子は、どうやら先輩さんらしく、ただこの状況で黙っている。
寝起きのいおくんもかったるそうな視線をその子に向けていて。
「この前どさくさに紛れて足かけられてただろ。あの場面を見てた奴が黒曜にいた。—―こいつは美術部の奴だ」
「…………そう、なの?」
美術部の子……お料理部じゃなくて?
お料理はキッチンでするもんだもんね。
先輩さん、いろいろとやることが間違っているよ。
琥珀もさすがに卵まみれの上履きは嫌だよ……。
「それとも新手の芸術……?」
「琥珀はまだ目が覚め切ってないの?」
後ろのベッドの部屋から姿を現す未夜くんも、あくびをしながらのご登場だ。
「おはよう未夜くん」
「おはよう琥珀。今日もかわいい」
「えへへっありがとうっ」
サラッとお世辞を言ってくれる未夜くんで、来るメンバーは揃った。