いや、でも受け入れられない。

なにが受け入れられないって、絵を描けなくなった自分が一番……。



「琥珀が好きな物、大切にしてくれるならそれでいいの。私も琥珀が大事だし、黒曜のみんなも、咲さんだって、琥珀が大事なの」

「で、でも、絵も描けなくなった私になにが残るのかっていうか……」

「それは一時的な不調でしょう?もしかしてそれも、引け目に感じてた?」



こくん、琥珀は頷く。

「ばかねぇ」とみっちょんは、琥珀の頭をそっと寄せて頭を撫でてくれた。



「私は琥珀自身が好きなのであって、それは絵が描けても描けなくても変わらないのよ。琥珀は琥珀」

「ほんと……?」

「ほんとだからずっと一緒にいるんでしょう?アシスタントはできてるんだし、オリジナルが描けなくなったからって絵を描けるスキルは消えてないわ」



そう言って貰えると、ほんの少し、満たされたような気がした。

まだ疑ってしまう自分は消えないけれど。



「好きなもの、楽しいものに目を向けなさいよ。気分転換なんていくらでもしていいのよ、琥珀は頑張ってるんだもの」

「……琥珀頑張ってるのかな」