「雲つくってると、こういう表現もよく出てくる。神秘的だよね」

「本当、きれいだよね。琥珀この表現とっても好きだなぁ」



『好き』

……うん、琥珀の知ってる好きって本来、こういうものだ。

自然と、好みだなって、いいなって思える、これが琥珀のよく知っている『好き』。

気持ちがわくわくするような、好奇心に溢れた好き。



恋愛的な好きが、全然まったくわかんないってわけじゃないの。

ちょっとずつわかってきたことがある。



咲くんといるととってもドキドキしてるの、琥珀わかってる。

ワクワクとは違う、静かな高鳴り。

ドキドキと安心が一緒にあるの。

一緒にいてどうしたらいいのか、わからなくなっちゃう。



咲くんのいない所で、あのキスの意味を考えちゃってたり、頭から離れなかったり、そういうのもあった。



でもね、琥珀ビビりなの。

好きって……認めるのが怖い。

初めての気持ち、止められなくなっちゃわないかって怖い。

これ以上ドキドキしちゃったら壊れちゃうんじゃないかとか。

もっと知らない自分が顔を出しちゃいそうで、それで怖がってるんだって。

知ることを怖がってるんじゃないかって、琥珀思えてきた。