涙をこらえて、チャイムの鳴る廊下を走っていく。
誰かに足をかけられて転んだ、誰にかなんてどうでもよくて。
膝と手に擦り傷が出来たからちょうどいいって、そのまままた駆け出して。
保健室の扉が見えた頃にはもう、既に涙が止まらなくなっていた。
うぅ、みっちょんに盾突いてしまった……うぅ。
静かな廊下、始まった授業、きっと生徒は通りかからない……そう思って。
保健室の前で座り込んで、体育座りで琥珀はぐすぐす泣いてしまっていた。
みっちょん、ごべんなざい……琥珀受け止めきれなかった……いっぱいいっぱいだった……ぶぇっ。
べちょべちょな顔してスンスン泣いていると、急に保健室の扉が勢いよく開かれる。
「!!???」
「んだよ、このズビズビお前か」
「!!???」
そこから出てきたのは、いおくんでした。



