一回全員一通りトーン?やらペンの作業試しにさせられたけど、その時にすっげぇ怖ェ目付きで見張られていたのが俺らの中でのトラウマである。



未夜さんも雨林さんを通して咲さんから声をかけてもらっていたらしく、俺らの中じゃ特別な枠に入っている。

雨林さんはたしか、いおりさんに声かけられたんだったかな、あの人も特別な人だ。

咲さんが頭張るのと同じ頃に雨林さんも黒曜へ来て、それから生活指導のセンコーみたいな恐ろしさをひと通りみんなに植え付けてから作業場に入るようになった。



だから、あの人よくわかんねぇけど、とにかく怖ェイメージが強い。



黒曜は割と自由なところだ、基本的には怯えて過ごす必要がない。

俺らは家に問題ある奴らばっかりの集まりだ、ここがねぇと居場所が無くなる。



咲さんは怖い、そして見た目通りでもあって優しいお方だ。

こんなどうしようもねぇやつらを一人一人様子見に来て声をかけてくれる。

それがネタ集めだとしても、俺らにとっちゃそれは心地いいことだ。



俺ら下の奴らの目線に立って話を聞いてくれる。

そんな咲さんだから、俺らはついていくんだ。