もうこの階全体がお化け屋敷のようで、照明がチカチカ切れそうになっているのも偶然のように思えなくて、ここにお化けがいるような気がしてくる。



呪われているんじゃないだろうか。

その赤色を見ながらそう思えば思う程、恐怖で体が動かなくなって来て。



その場に腰を落としそうになる私を、咲くんが「おっと」と支えてくれるけれど。

私は完全に腰が抜けていた。



「死んでません……?」

「あー、たぶん限界だったんだよね。三徹《さんてつ》しそうな勢いだったから」

「さん、てつ?って……?」

「三日徹夜のこと」

「三日も寝てなかったってことですか!!???」



ホラーよりホラーのような、狂気的なものを感じて、背筋がまたゾワリと繰り立つ。

いや、一日寝ないだけでも私は無理。



「たまにあるんだよねぇ。立った拍子にめまいがしてそのまま気絶」

「きぜつ」



いや、気絶じゃこの人、寝てないやん……。

ガチ倒れてる人やん……。



その直後に到着したらしい回収班の人が担架を二人で持ってきて、その人も速やかに運ばれていった。