ん?琥珀には別にいおくんが嫌われているようには見えないけれど、なんでこんなにネガティブいおくんが出ているんだろう?
「みっちょん、嫌いな人とは一緒にデートしてくれないと思うし、それに……」
「それに?」
それに……そう、あの時一番焦っていたのはみっちょんだと思う。
「いおくんがデート中にいなくなった時、一番に気付いたのも、一番焦ったり怒ったりしてたのもみっちょんだったと思う」
たぶん、いおくんが方向音痴っていうのを一番理解していたのが、みっちょんだからだ。
未夜くんは騒ぐタイプでもないし、琥珀もそこまで酷いとは思っていなかった。
「ミツハが……焦った?」
「焦った焦った」
そして、急にギラリとした視線を向けられた琥珀は、ポーズをとったまま肩をビクつかせる。
な、なんだなんだっ!
「お前から見て、脈あると思うか?」
その質問に、琥珀はぽかんと口が開いてしまったけれど。
「………………脈はみんな打ってると思うの」
「臓器の話じゃねぇんだよ。気ィあるか見えるかってこと」
「気?」
「だから……はぁ、ミツハが俺に惚れる可能性。惚れるがわからないとは言わせねぇぞ」
「それはわかる!!!」



