「おい」
「……」
「おい、そこのラブシーンばかりに没頭してる煩悩痴女」
「………………ちじょ?」
「……はぁ」
聞いたことの無い言葉に反応した琥珀は、たくさんのハテナを頭に浮かべて、背後にいる、話しかけてきた彼を見上げた。
そこにいるのは雨林さん……もとい、リンくん。
ペンテクを教えてもらうも、ここ数日はソワソワしてしまっていて、ペンテクが実際どう使われてるか漫画を見てイメージ固めて来いとのことで、今日は一階の漫画部屋にいる。
「……なんかあった?」
ぶっきらぼうにそう話しかけてくるリンくんは、実は優しいところがあるんだってことを琥珀ももう知っている。
「……あったけど言えない」
「……はぁ?」
「い、言えないようなことがあった!」
「すーげぇ意味深な言い方」
なんて言うものの、さほどリンくんは悩むこともなく。
「キスされた?」
「はぅっ!!???」
「ちげぇの?」
なんで!!?
き、き、きっ……!!?
え、こ、琥珀が!?そういうことされちゃうとお思いで!!?



