ふと思い出すのは、先程落し物を拾ってくれた時の赤ちんの姿。
そういえば彼は今、どこにいるんだろう?
姿が見当たらない。
正座をする黒曜一同に、みんなの前で琥珀もしゃがみ込んでお話を聞いている。
みっちょんは立ったまま無表情で、黒曜メンバーズの姿にスマホのレンズを向けていた。
この光景も撮っちゃうのか、さすがだみっちょん。
怖いもの知らずだ。
そんなみっちょんは、撮った写真を見ながら「いおに送っとこ」とまで呟き──あれ?
「みっちょん、いおくんの連絡先知ってるの?」
「は?」
はた、と、その事に気付いてしまった。
みっちょんも遅れて、「あぁ」と頷く。
「既読も付かないから一方通行だけどね」
「え」
「電話も繋がらないし、電源切ってるんじゃない?」
そう言いながらスマホの画面を触ってシュポシュポシュポッと音の連打音が聴こえてくるのは、恐らくスタンプを連打しているんだろう。
電源を入れたらすごい通知数が届いてそうだなぁ、いおくん。
そういえば琥珀は黒曜では咲くんの連絡先しか知らない。
みんなとは黒曜行けば会えちゃうからなぁ。