一瞬、すぐ横で視線が絡まるけれど、次の瞬間にはもう、未夜くんは琥珀の見ていた方向に顔を向ける。

すぐ隣から琥珀の視線の先を見ているようだ。



その先にいる二人を、瞳に映して。

柔らかな風が、みっちょんの長く柔らかい髪を靡かせて、背の高いいおくんと並ぶと、一枚の絵画のよう。



「琥珀ね、みっちょんがいおくんと楽しんでる所を見るのが、すごくいいなって思うの」



景色のことを聞かれているから、この答えは未夜くんの知りたい答えとはちょっと違う気もする。



けどね、本当に。

最近はね、いおくんのお話しているみっちょんの表情がすごく自然で、不満そうに口では文句を言ってるのに、楽しそうに見えていてね。

琥珀にはそれが、とても素敵に見えるの。



美しくて、ずっと眺めていたくなる。



「花壇のお花も、大きな木に囲まれた園内も、青いお空もすごくすごく素敵。でもそれを背景にいろんな表情を見せてくれるみっちょんが琥珀にはきらきらして見えるの」



無意識、なんだろうなぁ。

普段は意地悪そうないおくんもね、いつもよりずっとずっと、柔らかい表情をしているの。