「グラデーションをかけたり、重ねて削るのも綺麗かなって。下から見上げた時の、葉の感じもイメージしておきたくて」

「漫画に関わってると、やっぱりそういうのが気になっちゃうものなのかな」



ここに居るみんな、絵に関わることを極めている。

今日集まった全員、集合の時に手にカメラを持っていたのを見て、みんな考えることは一緒なんだなって笑ってしまった。



そういえば今日はフラワーガーデンにいるのに、何だかあちらこちらにカラフルな髪したグラサンマスクの人達が見えるなぁ。

なにかのイベントだろうか?

顔見せたくなさそうだから、有名人さんとかなのかな?



こちらもみんな景色に夢中で、まとまりの無い集団に見られてしまっているかもしれない。

デートの予定だったはずなんだけどなぁ。

あいす……。



とはいえ、琥珀も楽しそうなみっちょんを描けるチャンスだと思ってパシャリ、シャッターを切ってしまうのだけど。

なんだかんだでいおくんは優しいから、みっちょんのお話を聞いてくれてるなぁ。



「琥珀は、今日見ている景色で、どんな所が好き?」



琥珀の隣に並んだ未夜くんが、琥珀の視線に合わせてかがむ。