物腰柔らかい、なのに芯はしっかりと持っていて、そうかと思えば笑えるような物語を考える人。
微笑みがまた、絵から飛び出てきたような『完璧』をつくり出し、気付けば彼の世界に惹き込まれている。
わかるようで、わからない人。
彼がゲームセンターで話していたような……掴めるようで掴めない、まさにそれがピッタリと当てはまるような男の子。
きっとまだ、私の知らない面を持っている。
……って、なんで琥珀はこんなに咲くんのこと考えちゃうんだろう。
ふるふると首を振り、大事な大事なブレスレットを外して机の上の小物入れに置いた。
「おやすみなさい」
明かりを消せば、月明かりを受けたブレスレットが微かに輝きを返していた。
明日はどんなことを教えて貰えるだろう?
どんな新しい技術を覚えられるだろう?
どんな一面を、見せてもらえるだろう。
わくわくとした気持ちを胸に、私は眠りへと落ちていった。