そうか、あの姿は理性と本能の関係が可視化されているようなものなんだ。
未成年も入ることの出来るゲームセンターでは、その年齢層の幅が広いし、お金の流れが目に見える。
それに、ここへ入るだけなら入場料も必要なく、未成年でも気軽に入ってこれる。
取引は現金、小銭で事足りて、子供のお小遣いでも遊べる、そんな場所。
「さて、ここで問題です」
デデン!なんて効果音を付けた咲くんは、私に人差し指を立ててみせる。
「俺たちの今描いている漫画のタイトルは、何だったでしょう?」
「………………はっ!!!」
その時、私はここへ連れてきた咲くんの目的がようやく解った気がした。
なぜならあの衝撃を、私は今でも覚えているから。
「カネタマ……」
金は地球を救う……カネタマだ。
お金の絡む話であることはタイトルからしても明らかである。
「そう、カネタマ。主人公は万年金欠の高校生、でも決して家が貧しいわけではなく、その金遣いの荒さ故に自分の首を締めているのだった」
「そんなお話だったのね」



