「ものが欲しくなる時、ドーパミンていう快楽物質が頭の中に出てて、それが欲を引き立てるんだよ。買い物でも、ゲームセンターでも、賭けや麻薬までも」

「麻薬までも……?」

「依存性の原因にもなるものだし、けれど人間には欲が必要不可欠でもある。欲があるから頑張れるし、それがエンジンになるからね」



その説明を聞いてから再び、子供たちを見る。



苦労して落とせたぬいぐるみを大事に抱きしめる中学生。

勝てなくて悔しがって再び勝負を挑むために親にねだる小学生。

曲を終えて別の音ゲーへと足を進める音ゲーマー。



人間の欲望を上手く引き出し、ほぼ機械のみで構成されたこの、ゲームセンターという場所。



1000円札を両替機で100円玉へと崩す人たち、メダルへと変換してメダル落としゲームをする人たち。



「お金の動きがこんなに目に見えてわかる場所って少なくてね。パチンコとかだと未成年はまだ入れないでしょう?」

「パチンコだともっと激しく追い課金してそう……」

「子供は欲に忠実だから、ブレーキがなかなか効かない。その代わりお金を出している大人が理性の働きをする」