咲くんが絶対、ここでのルールは咲くんだ。

だからこそ私を下の人たちより上に位置付けられたんだろうし、咲くんしか入れないという部屋に入れたし、下の人たちにもいい印象を持ってもらえている。



「ソレも貰ってることだし。お前も黒曜の一員だろ」



いおりさんが指すのは、私の手首にあるブレスレット。

咲くんがプレゼントしてくれた、黒曜と琥珀。

黒曜に受け入れられた証。



「大事にしてくれよ。俺たちも大事にするって咲に誓ってる」



私はブレスレットをもう片方の手で包み込んで、胸の前でギュッと抱きしめた。

咲くん、大事にするよ。

このブレスレットも、黒曜の仲間も、黒曜も、漫画も、みんなの想いもみんなみんな、大事に抱え込んで、一緒に進みたい。



「大事に、大事にします」



まだ始まったばかりの環境で、怖いこともまだまだある。

けれど大丈夫だと思えるのは、黒曜の彼らがいるから。



そして絶対的王者、咲くんがいるから。