「えっと……咲くんの部屋に私いたんですよね?そのお部屋に咲くんは入らないんですか……?」

「それはお前、襲えって言ってるようなもん――」

「口ん中に太鼓突っ込むわよ」

「悪かったって!!太鼓持つんじゃねぇよ八千円してんだよ!!」



たっか!!!!!

え、その太鼓八千円もしてんの?

ソフト本体よりも高いんじゃない??



「琥珀が起きたら荷物取りに下の部屋行くだろ。それまで下で待機してんだよアイツ」

「……わざわざ?」

「不信感買いたくねぇんだろ。お前のことほんと大事にする気だよアイツ」



咲くん……最初は助けてもらったのか罠にかけられたのかわからないくらい彼のことがわからなかったのに。

けれど段々と、彼の周りにいる人たちからの話を聞いていくと、本当に私の(仕事環境の)ことを考えて動いてくれていることがわかって来た。

大事にしてくれる、というのは本当に思ってくれているんだと思う。



「咲の部屋は咲以外入れねぇ。だからあそこに寝かせたんだろ。俺の部屋は下の奴ら入れてデッサンしたりしてっけど」

「そんなところに私、入っちゃってよかったんですか?」

「咲が入れたんだから誰も反対なんて出来ねぇよ。ここじゃアイツが絶対なんだからな」