「未夜、そんなに強いの飲ませたの?」
「コーヒーリキュールでカルーアミルク……一杯」
「紙コップで?」
「そう、あの紙コップに」
しかも、私はそれを飲みきっていなくて、みっちょんに預けたまま。
つまり一杯分も飲んでいないのだ。
「咲くん、りきゅーるってなんだっけ?」
「お酒だよ。琥珀ちゃん、ほぼ牛乳のコーヒー牛乳みたいなもの渡されて、飲んだんじゃない?」
「ん!!!あれ甘くてすっごくおいしかったの!!!また飲みたいなぁ……未夜くん」
眠気でとろりとした目で未夜くんにおねだりするも、困った顔で顔を逸らされてしまった。
ちょっと今は、なんだかだんだん眠くなってきちゃったから、飲めないかなぁ。
でもね、すごく甘くておいしかったの。
琥珀、乳製品好きなんだぁ……。
ユラユラと揺れてきた琥珀を未夜くんが肩を掴んで支えてくれる。
瞼がゆるり、ゆるりと下がってはハッとして覚めて、また眠くなって。
ふわりと重力の感覚が消えたと思ったら、気付けば膝の裏と背中を支えられて、持ち上げられていて。
あれ、今私倒れちゃうかと思ってたのに、浮いている。
「未夜、琥珀ちゃん上で寝かせてくるから、ミツハちゃんたちに話しておいて」
「え、咲が運ぶの……?」
「俺も抜けるから。少ししか飲んでないならすぐ起きるでしょ」



