さっきの咲くんの手のひらも、気持ちよかったな……。
「ごめん、まさかそんなに弱いとは」
「……弱い?」
弱いって、琥珀のこと?
未夜くんは何を言っているんだろう?
琥珀ちゃんは誰とも戦ってないよ?
ぽーっとした頭で考えるも、さっきの咲くんの熱を思い出して頭をふるふると横に振ってごまかす。
煩悩は振り払わねばっ!!
「琥珀ちゃん、気付いてなかったかもしれないけど」
「うん……?」
「君、酔ってるよ」
……………………酔ってる、よ…………?
咲くんからの衝撃発言に、私は頭の中でその言葉の意味を考える。
酔ってる?
車酔いみたいな?
人混みに酔ったみたいな……?
「私が?」
「ごめん琥珀、気持ち悪かったりしない?」
「……??気持ちよくて、なんか、ぽわぽわぁってあったかい。ねむい」
「まさか一杯で酔うとは」
一杯で、酔う……?
そんな未夜くんの言葉に、咲くんは私を二度見する。
綺麗な二度見をされた。
顔に「嘘だろ雑魚じゃん」て書いてある……気がする。
咲くんはそんな事言わないだろうけど。



