頭がさらにぽわぽわと熱くなってて混乱する私の顔を覗き込むようにして、ふと意地悪く笑う彼。



「覚えていて。俺がいっちばん最初に君を見つけたこと。君が欲しいということ」



なにを言われているのかと、頭の中が真っ白になった。

確かに前、額にも……されたことがあったけれど。

学校で、教室に咲くんたちが来てた時に……。



咲くんの行動が読めない。

驚きすぎて、呼吸が、うまく出来ない。



ブレスレットが、シャラっと手首を滑る。

その位置に、今、今…………。



「琥珀っ」



後ろから肩を掴まれ、振り返る。

そこには、咲くんを見据える未夜くんがいた。



「え、あ…………未夜くん」

「……顔真っ赤。冷やそう?」

「ち、違うの、これは!別に、なんでもなくて、なんか暑くてっ」



恥ずかしすぎて、なんだか視界がうるうる潤んできた。

なんでだかわからないけど、なんだかとてつもなく咲くんが……色気がっ!!

色気にあてられて!!ひやぁぁぁ!!



顔の前で違う違うと両手を振るものの、眉をひそめた未夜くんに頬を撫でられる。

未夜くんの手も、相変わらず冷たくて、その手が私の熱くなった頬には気持ちいい。