その二人の存在感に、朝のように教室がざわつき、何事かとその付近にいた生徒たちもわらわらと廊下からこちらを覗き込んでいた。
相変わらずそこにいるだけで存在感を放つ方々である。
未夜くんは私の机を背にちょこんと座り、琥珀を見上げてくる。
かわいすぎる……!!!
「え、なに琥珀。迎えでも来たの?」
「わかんない!けど今日は行かないはずなんだけど……?」
二人とも来てくれたけれど、咲くんはドアの所から動こうとはしない。
教室の出口の片側を塞いでいる状態だ。
どうしたのだろうか?
みっちょんの言うように、迎えに来てくれたのだろうか?
でも今日は黒曜に行く予定はなかったはず……と頭の中で考えながら、未夜くんの頭から顎を猫を撫でるように撫で撫でしながら考えていた。
教室から廊下まで、すーっと眺めるように、様子を伺うように、一通り目配せをした咲くんは、ふと、ゆるりとした怪しい笑みを向ける。
その瞳が鋭く、一瞬にしてその場を支配した。
「必要のない噂を流しているのは、誰?」