「はぁー」
見つからず探し回る途中で、一旦立ち止まってため息をついた。
さすがに広すぎる構内では見つけるのが難しい。
折れそうになる心を必死に立て直し、また走り続ける。
そしてふと前を見ると、何メートルか先に見知ったサラリーマンを発見。
まだ確証はないし、逃げられたら駄目だから様子を伺いつつ近づく。
全身が見える距離まで近づき、左腕を見ると確かにあの高級時計をしていた。
....この人で間違いない!
一気に距離をつめて、電車内の時と同じようにサラリーマンの腕を掴んだ。
「....見つけました!」
「な、何!?」
「今度は絶対に逃がしません!」
絶対に見つけ出すと彼女に誓ったのだ。



