【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「一緒に....来ていただけますか」



次の駅で駅員さんに突き出す。



「............」



私が問いかけても目の前のサラリーマンは黙り込むだけ。



自分よりも背の高い人の威圧感に圧倒されそうになるけど、負けちゃ駄目だ。



絶対にこの人を逃してはいけない。



「...........」



「............」



お互いに目をそらさないまま、無言の時間が続いた。



きっと私の手が怖さで震えてしまっているのはバレている。



そんな時だった。



電車が大きく揺れて、とまった。



どうやら駅に着いたらしい。



プシューっと音をたてて反対側の扉が開いた。



すると電車内にいた人達が一斉に降りるラッシュが始まった。