【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




偶然と運命は紙一重。



でもどちらとも言えるからこそ、私は運命の方を信じたいな。



「...素敵な考えをするんだね」



こうやって人と出会えたことを運命と言える人なんてそうはいない。



ただとても素敵な考え方だと思った。



「そうかな?ちょっと今のはキザだったかな」



そう言いながら少し照れくさそうに笑った彼も素敵だと思った。



「....ううん。すごく素敵だと思うよ」



”素敵”なんて一言では片づけられないくらいだけど。



今の私の語彙力ではそれ以外の言葉が見つからない。



イケメンだからとかじゃなくて、人柄が素敵なのだ。



「じゃあ改めて、よろしくお願いします。下平季澄さん」



差し出された手は一点の曇りもないくらいに明確だった。