【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「ねぇ下平さん、世界には何人くらいの人達がいると思う?」



「えっ.....70億人くらい?」



質問の意図が分からず、戸惑いながらも答えると....



「惜しい。今は78億人と言われてる」



「そうなんだ....」



「そんな中で78億分の1の確率で俺達は出会えた」



周りから見れば何を言ってるんだと思われるかもしれないけど、私の心は揺れていた。



胸の奥に温かい日差しが入り込んできたかのような。



「偶然とも運命とも言えるけど、俺は....下平さんと出会えたのが運命の方だと嬉しいかな」



瞬間、泣きたくなった。



ただ2回会ったばかりの人と言えばそれだけなのかもしれないけど



私も彼と出会えたことが運命だといいなと思えた───。