【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「だから、まだ会って間もないけど俺は下平さんと出会えてよかったと思ってる」



「三宅くん....」



「土曜日に別れた時も、わざと名前を聞かなかった」



「わざと...?分かってたなら言ってくれたらよかったのに~!」



私の頭からはすっかり抜け落ちていたというのに。



「ごめんごめん。でも、もう一度会える予感が確かにあったんだ。今こうして会えてるでしょ?」



「そうだけど....」



そんな爽やかな顔で言われても、何だか腑に落ちない。



結果としては今会えてるけど、私が彼の制服を知らなかったら学校にはたどり着けなかったよ。



今日、帰ろうとしていた時に会えたのも本当にたまたまだし....。