それからしばらく居心地の悪さを感じながら待ってみたけれど、土曜日の彼は現れなかった。
やっぱりもう帰っちゃったのかな。
これ以上ここにいても会えない気がした。
さすがにいい時間だし、これ以上ここにいるのも気まずいし帰ろう。
また来れる勇気があるかは分からないけどね。
校舎に背を向けて、上ってきた坂を下ろうとした時....
「......あれ、君、確か....」
聞き覚えのある声がして、立ち止まった。
この声....私は知っている。
ある人の姿を思い浮かべながら、振り返るとそこには
.....思い浮かべた当人が立っていた。
ここまで来る目的の人物がそこには立っていた。