「そろそろ帰らなくちゃね。よかったら俺送っていこうか?」
「そ、そんな!まだそこまで暗くないし、私の家ここから歩いてすごい近いから大丈夫です!」
「そう?遠慮しなくていいのに」
「いやいや、本当にすぐそこなんで大丈夫です!」
送ってもらうなんて今日会ったばかりの私にそんな資格はない。
これ以上、この人の優しさを受け取ったらバチがあたりそう。
短い時間の中で十分すぎるほどもらったから。
「分かった。じゃあここでお別れだね」
「はい!今日は私のわがままを聞いてもらって本当に...ありがとうございました!」
直角以上に腰を折り頭を下げた。
土下座したいくらいだけど、さすがに注目を浴びるから外ではできない。



