構内に入ると女子達がざわざわしていた。
「...なんか騒がしくない?」
凛子も同じことを思っていたようだ。
「ね。何かあったのかな?」
不思議に思いながら、騒ぎになっている方へ向かう途中、すれ違う女子達の会話が聞こえた。
「ねぇあの人って!?」
「うん!間違いないよ。あのカッコいい人は」
「高校卒業と同時に三宅ホールディングス社長に就任した....」
「「.....三宅蒼都!!」」
その名前が聞こえた瞬間、騒がしかった構内は一瞬で静かになった。
遮られていた人の壁は開かれ、視線の先には真っ白なスーツを着たスタイル抜群の男性。
その人物を捉えた瞬間、涙が一筋頬を伝った。



