「待っててもいいの....?」
「当たり前だよ。こんな情けない俺でも待っていてくれるなら、必ず迎えに行くから」
どうも今日の蒼都くんは自分を卑下しがち。
「だから待っていてくれる....?」
「待ってる....」
これから蒼都くんと関わらない生活がどうなっていくのか私でも分からない。
だけど、待っていいという一筋の光があるのなら。
お互いに目を合わせて、どちらからともなく顔を近づけた。
何度目かのキスはとても心が痛かった。
高校生としてするキスはきっとこれが最後。
抱き合っていた腕を自然と離し、お互いに向き合った。
「蒼都くん、さようなら」
「絶対に迎えに行くから、待ってて。さよなら、季澄」
今日、私と蒼都くんは別れた───。



