【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「....本当にごめん!こんな選択しかできない俺を責めてくれていい」



強く抱きしめてくれた腕は微かに震えていた。



「なんで私が蒼都くんを責めるの。蒼都くんには感謝しかないのに」



私に彼を責める権利はない。



だって彼がどんな選択をしても受けとめると決めてきたのだから。



「今の俺じゃ弱い。無理を通して付き合っても季澄のこと守ってあげられない」



そうはっきり言いきるところは蒼都くんらしいな。



「............」



どう声をかけるのが正解なのか分からず、黙るしかない。



「季澄を悲しませることは分かってる。だけど、このまま付き合って辛い思いをさせることは俺が耐えられない。だから.....別れてほしい」