【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「そっか。やっぱり蒼都くんはすごいね」



先を見通せる力、人のことを見抜く力。



それは蒼都くんの持っている元からの才能と磨かれたもの。



将来的に人の上に立つべき者として鍛えられた才能なのかもしれない。



「俺さ、彼女とか作ったことなかったんだ。自分の家のこと知ってたし、政略結婚だろうなって諦めてた」



蒼都くんの家は大きいからこそ、自由に動けるような身軽さはない。



何重もの見えない糸で雁字搦めにされているんだと思う。



幼い頃からそんな世界で生きてきて、どれほどの想いを背負ってきたのか私には計り知れない。



自分の進みたい道も選べず、決められた道を必死に歩んでる。



私達が将来を悩めることは蒼都くんのような人から見たら、贅沢なんだろう。