【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




秋めいた日の夕方。



公園には偶然にも誰も人がおらず、静かだった。



風が木の葉を舞い上げて、私の髪を揺らした。



この何とも言えない気持ちになるこの季節が嫌いだ。



「.....季澄!」



彼の声がして振り向くと、私服姿の蒼都くんが小走りでやってきた。



「ごめん、急に呼び出して....」



「全然いいよ。蒼都くんこそ、そんなんい急いで来なくても...」



それほど私に話したいことがあるってことかな。



「実は、季澄に話したいことがあって」



ちゃんと向き合ってくれることが、彼の優しさなんだろう。



話したいこと、そんな軽いものじゃないことくらい私にだって想像がつく。



君の瞳が真剣そのものだから。