それから広い料亭を迷いながらも出ることができて、とめてあった車で丁寧に送ってくれた。



いつもより少しだけ遅くなったけど、そこまでじゃなかったから怪しまれなかった。



それからも蒼都くんとは普通に電話したり、LINEしたりした。



私から話すこともできたけど、それは違う気がしたから。



そして、その週の土曜日の夕方。



蒼都くんから一言だけのLINEがきた。



”話したいことがある”と。



短い言葉だけれど私には分かるよ。



電話ではなくLINEで短い言葉で送ってくることの意味。



初めて会った公園で待ってると送り、スマホと財布だけ持って家を出た。



鈍感な私でも君の気持ちは分かったよ。