「その時に彼の隣にいる人は私じゃふさわしくないということですか」
「えぇその通りよ」
きっと婚約者である海野さんを連れてきたのは、私に格の違いを見せつけるため。
あなたがどれだけ頑張っても適わないのだと。
たぶん海野さんも有名なところの令嬢なんだと思う。
三宅ホールディングスを継ぐ男の隣に立って恥ずかしくないふさわしい女性。
そして2人が結婚することによってお互いに利益がある関係。
彼女も家の名前にふさわしい人であるように、努力してきた結果が今の美しさなんだろう。
「あなたの存在は蒼都の重荷にしかならないの。分かってくださるわね?」
お母さんから言われる言葉が槍のように私の心臓に突き刺さる。



