「あなた三宅ホールディングスって知っているかしら?」
「...お名前だけは存じ上げています」
三宅ホールディングスの名前は知っている。
高級料亭を中心に展開している大手グループ。
「その三宅ホールディングスの未来を背負っているのがうちの蒼都なの。一般庶民と遊んでいる暇なんてないのよ」
....そっか。
蒼都くんの家は三宅ホールディングスだったのか。
彼がお金持ちだということは知っていたから、今更驚くことでもない。
三宅という名字を聞いた時に気づくべきだったかな。
「蒼都はいつか夫から三宅ホールディングスを受け継ぎ、上に立つ者になる。あなたとは住んでいる世界が違うの」
知っていたよ、蒼都くんが私とは住む世界の違う人だってことくらい。



