だって瞬間的に分かってしまった。
この人には....勝てないって。
仕草も外見も完璧な彼女に勝てる要素なんて何1つないと。
目が合った瞬間に格の違いを思い知らされた。
「だから、蒼都と別れてくださるかしら?お遊びに付き合っている暇は蒼都にはないの」
蒼都くんのお母さんだと知らされた時から言われると思っていた言葉。
多少なりとも覚悟をしていたはずなのに、そんな柔い覚悟は一瞬で崩れ落ちた。
「...........」
別れたくない。
その気持ちを伝えることは許されない空気なのはわかる。
言葉が喉の奥で突っかかってしまって出てこない。
喉がカラカラだ、冷汗がとまらない。



