【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




案内されて着いたのは広いお座敷部屋。



私の座った向かい側に三宅さんと海野さんが座った。



座る時の仕草も優雅で、思わず目を奪われてしまった。



「急に連れてきてしまって申し訳ないわね。外でする話じゃなかったから」



「いえ、お気になさらず....」



そう言う自分の声は震えていた。



何が怖いのか分からないけど、怖い。



すごくざわざわして嫌な予感がする。



どうして私をここにわざわざ連れてきたの?



どうして私のフルネームを知っていたの?



聞きたいことは山ほどあるのに、言葉に出すことはできない。



目の前に座る2人の空気感がそうさせるんだ。



私から安易に発言することは許されないと言った雰囲気を醸し出している。