そんな時だった。
「下平季澄さん?」
こんなところで、私のフルネームを呼ばれた。
一体誰なのか不思議に思い、声のした方を向くと女性2人が立っていた。
.......誰?
それが素直な気持ち。
今、私のことをフルネームで呼んだのってこの人達だよね?
でも私が全く存じ上げない人達なんだけど....。
むしろこんな綺麗な方達、私の知り合いにいるわけない。
だけど私のフルネームを知っているということは、知り合いなの?
「下平季澄は私ですが....失礼ですけどどちら様でしょうか?」
全く見覚えがない。
なぜ声をかけられたのかも謎でしかない。
ただ、心の中を渦巻く不安は助長していくだけだった。



