【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




「はぁ、これよこれ」



そう言いながら1枚の紙を見せる。



「...それね」



その紙を見た瞬間、私も苦笑いがこぼれた。



”進路希望表”と書かれた1枚の紙。



今日の朝、担任の先生に配られたもの。



私達も2年生だから、進路は決めないといけない。



大学か専門か就職か。



誰かに頼って決められるものじゃなく、自分で決めなきゃいけないもの。



「進路決まらないの?」



「まだ2年生だし、想像できないのよ。今から決めろって言われても無理な話じゃない?」



「まぁね。でも決めないと1年後には受験でしょ?」



時間はあるようで全然時間はないのだと思い知る。



今、2年生の秋ってことは高校3年間の半分が終わってしまったということだもんね。