【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




2人から突き刺さる視線が痛い。



暑い日差しが容赦なく照りつけるせいでクラクラする。



「そんなの知らないし」



と言って腕を絡みつけるのをやめない。



イラっとしたのはおそらく初めて味わう嫉妬という感情。



「....いい加減離してくれない?俺の彼女が怒る前にね」



今までずっと黙っていた蒼都くんが声を出した。



絡まれていた腕を強引に引き離して、私のもとへやってきた。



距離が近づいた途端、グイっと引き寄せられ一気に蒼都くんの香りに包まれた。



その腕の力強さを直に感じて少しの不安も払拭された。



「ねぇ君、自分のことかわいいと思ってるでしょ?」



「.......!!」



彼女は図星だったのか、驚いた表情をした。