お手洗いの鏡で自分の姿を確認する。
色々なアトラクションに乗りすぎて、乱れた髪に自分でも笑っちゃう。
出ていく前に動きすぎて汗をかいて気持ち悪いので、制汗シートで拭く。
そして身なりを最低限整えてお手洗いを出た。
外に蒼都くんを待たせているので、小走りで彼のもとへ向かった。
日陰のところにあるベンチに座っている蒼都くんを見つけて近寄ろうとした時に、誰かが先に来たのが分かった。
「あのぉ、お1人ですか~?」
知らない女の子の声が聞こえてきて、思わず足をとめてしまった。
ベンチで休んでいる蒼都くんにためらいもなく近づいていく女子2人組。
これが逆ナンパというものなんだろうかと頭の中で冷静に思った。