....ナカガキヤスヒロ?
どこか聞き覚えのある名前が聞こえて、立ち止まる。
ハッとしてさっきしまったICカードを取り出すと、聞いた名前とぴったり一致した。
このICカード、この人のだったんだ!
99%間違っていないと思うから、緊張したけど声をかけた。
「あ、あの....」
「なに?」
いきなり私に声をかけられたからなのか、怪訝そうな顔で見られた。
私ってそんな不審者みたいな感じに見えるのだろうかと少しショックを受けた。
「さっき拾ったんですけど、お探しのICカードってこちらじゃないですか?」
拾ったICカードを見せた。
「あー!それそれ!俺の落としたICカード!」
いきなり大きな声を出されて、肩がビクッと動いた。



