やっぱり窓口に届けるべきだよね。
そう思って拾ったICカードも鞄にしまって、改札へ向かう。
周りを見ても困っているような人はいなさそうだったので。
改札のすぐ横にある窓口にいる駅員さんに渡そう。
そう思いながら通路を歩いて、改札のところへ向かっていた。
改札のところへ行くと窓口に駅員さんがいることが確認できた。
だけど窓口には先客の人がいて、高校生っぽい男の人が駅員さんと話しているようだった。
その窓口へ近づくと、駅員さんと男の人の会話が聞こえてきた。
「もう一度調べてくださいよ!ナカガキヤスヒロって書かれたICカード届いてないか」
「あのねぇ、何度調べても届いてないものはないんだよ。もう少し待ってみて」



