なんでそんな甘えた声を出すの....!?
その声に私が弱いって絶対に分かっていてやっているでしょう....。
「....あ...蒼都...くん」
不自然なくらいに途切れ途切れになってしまったけど、呼んだぞ!
「くんはいらないんだけどなぁ?呼び捨てでいいよ?」
それなのに、彼はさらなる要求をしてくる。
「...蒼都....くん」
頑張って呼び捨てで呼んでみようとしたけど、やっぱり無理だった。
名前で呼ぶだけでもハードルが高いのに、呼び捨てなんて....。
「結局、くんがついちゃったね。いつか慣れたら呼び捨てで呼んでよ」
パンク寸前の脳内で聞こえたあ、蒼都くんが許してくれた声。



