「他の人達も田中くんと同じように思っているんじゃないかって。今笑ってくれてるけど、心の奥底では気持ち悪いと思ってるんじゃないかって」



そう思い込んでしまったんだ。



みんなが自分を見ているわけじゃないのに、みんなの視線がやけに気になるようになった。



ひそひそ話している声が聞こえたら、私のことを話しているんじゃないかって。



「そう思うと周りの人と上手く話せなくなった。クラスメイトとは距離を置くようになった」



教室にいる時間が苦痛で仕方なかった。



そんな時でも普通に接してくれたのは真由子達だけだった。



彼女達のおかげで私は壊れずに済んだ。



「だから、私は急遽進路を変えたんだ。中学の同級生が誰もいないところへ行きたくて、遠い今の高校を選んだ」



これが私が今の遠い高校を選んだ理由。