【完】彼氏(仮)とあま~い偽装恋愛




気づいたら泣いていた。



その後どうやって家に帰ったかは覚えていない。



悲しかったし、悔しかった。



オタクであることを気持ち悪いと思われていること、好意を見透かされていることが。



人の好意を笑って馬鹿にできるあんな奴に好意を抱いていた自分が情けなかった。



それからオタクであることはオープンにしてはいけないと学んだ。



オタクであることがプラスに働くことはないのだと。



それからオタクである自分が急に恥ずかしくなった。



だけど、小学生の頃から好きだったもの達は嫌いになれなかった。



「そんな会話を聞いて、田中くんとは話さなくなった。そして周りの目が気になるようになった」



あの時の私は狭い世界の中で生きていたから。