「それはどうも...なんて素直に言うと思った?」
三宅くんの顔は見れない。
ただ静かな空間の中で、コツコツと足音を響かせ彼が近づいてきていることは分かった。
「いつまでくっついてるつもり?いい加減離れなよ」
その声が聞こえた瞬間、あの男の存在は消え違う温もりに包まれていた。
私のよく知っている三宅くんの温もり...。
彼に抱きしめられている、そう自覚した瞬間に涙が溢れだしそうになった。
ただこんな男の前でこれ以上泣きたくなかったから、必死にこらえた。
さっきまでの不快感は消え、三宅くんが近くにいてくれていることに大きな安心感を覚えた。
状況が飲み込めていないらしい目の前の男は唖然としていた。



